●「あら探し」ではなく問題解決がミッション
店舗指導者は、担当店舗の売上が好調な店は好調売上を維持しさらに売上向上ができないかを指導し、反対に、売上低迷店は売上低迷から改善させることが主な仕事となります。
さて、このミッションを達成するためには、常に「問題意識」を持つことが必要です。さらに言えば、あら探しをするような視点で店舗を診たり、店長を観察するのではなく、
「どうすればもっと売上があがるんだろう?」
「何が売上低迷の原因なんだろう?」
と、問題を発見するクセ付けをするようにしましょう。
例えば、売上が低迷している店で、クレンリネスを強化すれば売上は向上するのでしょうか?
はっきり言いますが、クレンリネスを強化したからと言って、売上が上がることはありません。クレンリネスの不備を指摘するのは、「できない」店舗指導者です。
なぜなら、「本当の売上不振の原因」を見つけ出すことができないため、すぐに目につくクレンリネス面を指摘するしか、自分の存在価値を示すことができないからです。
もちろん、クレンリネスは飲食店にとってはとても大切なことです。しかし、これが直接的な原因となって売上が下がると言うことは絶対にありません。必ず他の面に問題があって、「現象として」クレンリネスに表れているのです。
クレンリネスが低下するのは、多くの場合、「店長の指導力」に問題があります。
正しい掃除の仕方、頻度、必要個所をアルバイトに指導できないことで、クレンリネスが低下するので。そして、その指導力は、クレンリネス面だけに現れるのではなく、接客面や商品面にも「質の劣化」という形で現れているでしょう。つまり、この場合の本当の問題というのは、「店長の指導力」なのです。
飲食店の売上を改善させる場合、目先にでている「現象」に目を奪われるのではなく、「なぜその現象がでてしまったのか」という、現象の「原因」を探り出し、それを解決しなければ売上・利益改善を図ることは不可能です。
店舗に現象として出ている事象に捉われるのではなく、すなわち、店舗の「あら探し」をするのではなく、現象として現れた「根本原因」を見つけ出し、現象(問題)を解決すること、これが店舗指導者には求められるのです。
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