●「人を活かす多店舗化」のために、経営方針書を作ろう!
私がご支援先の経営者さんにお話していることは、スタッフの一人一人が「考える力」をつけ、個の力を伸ばすことで、会社も強くなり、また、永続的に続く会社づくりに繋がるということです。
しかしながら、個々が「考える力」をつけるといっても会社の中で働くわけですから、「自分都合」で考えてしまっては、会社や店がバラバラになってしまいます。
だからこそ、「判断基準」「軸」が必要であり、会社という枠で考えると、それが経営理念でありビジョンであり行動指針となり、そして、店で考えると、店舗理念(クレド)であり、店舗コンセプトとなります。
スタッフは、この理念やコンセプトに基づいて「どうすればいいのか?」「間違っていないのか」などを絶えず振り返りながら仕事を進めるというのが、私がご支援先のコンサルティングや勉強会で行っていることです。
これまでチェーン店の多くは、店の質を維持するために、チェックシートを活用し、「できている」「できていない」で店をチェックし、品質の維持を図ろうとしていました。(もちろん今も多くの店が活用されていますが・・・)
私はこれでは、かえって、「質」が低下すると考えています。
なぜなら、チェックシートに基づいて仕事をしてしまうため、仕事が「作業」になってしまうからです。だから、一時的には仕事ができても、ただ「作業」として行っているため、仕事の目的や本質を理解していないので、すぐに質が低下してしまうと考えています。
このような事態にならないように、会社と店の「あるべき姿」を確立し、それをスタッフに浸透させ(なぜなのか、という目的なども伝えながら)、絶えずすべての仕事の「あるべき姿」に対して、今はどうなのか?と振り返りをさせ、あるべき姿と現状との間に生まれるギャップ(これが店の課題であり、個人の課題)を埋めるために、何をすべきなのかを「考える」という組織風土を構築していこうと考えています。
このあるべき姿をまとめたものが、当社が開発、推薦している「経営マトリクス」です。
マトリクスの作り方を簡単に説明しましょう。
①9つのマスをタテに3つに分け、真ん中に会社としてのあるべき姿(経営理念、行動方針、ミッションなど)、店としてのあるべき姿(店舗コンセプト)、そして、スタッフのあるべき姿(これをもとに評価表も作成します)としてまとめます。これが会社としての「軸」となります。
②左側のマスには、会社が、5年後・10年後どうありたいかをできるだけ具体的に可視化させます。(これが会社のビジョンとなります)
単に数値目標だけでなく、店舗展開の方法、周りの評価、社員の姿などできるだけ具体的な状態目標を設定します。
③右側のマスには、5年後の会社のビジョンを達成するために、毎年何を強化していくのかを3つのテーマを設け、これも行動内容を具体化します。
このマトリクスのメリットは、一枚のシートに会社のあるべき姿、目指す姿、今年の課題をまとめるため、全体を俯瞰しやすいということ。そして、紙一枚にまとめていますから、持ち運びにも便利でいつでも「振り返り」が可能ということです。
経営計画書を作る会社はたくさんありますが、”ただ作っただけ”という会社がたくさんあります。それではあまり意味がありませんから、このマトリクスは「活用する」ことを一番に考えています。
社員に「考える力」をつけるためには、会社・店の「あるべき姿」を明確化することがまず第一にやるべきこと。
そうでなければ、「何を考えていいか」分からないし、勝手に考えるスタッフが増え、会社がバラバラになってしまいます。
永続的経営を目指す方、社員に「考える力」をつけさせたいと考えている方で、会社の「あるべき姿」がイマイチ明確になっていない方は、ぜひ、この講座を受講ください。
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