●自店、自業態の「軸」を意識していますか?
「売れない小さな居酒屋」でよく見る光景は、やたらと商品数が多い店。
20席ぐらいしかないのに、100品目以上の商品を揃えているような店です。
一見、たくさんのメニューがあるから良さそうなのですが、商品一つ一つをみると特に法則性がないのです。そのため、「自店のお客様が望むもの」を提供できていないため、どれだけたくさんの商品を揃えても「売れない」という結果を招くことになるのです。
なぜ、このようなことになってしまうかと言えば、「お客様の要望を素直に聞きすぎる」からです。
一見、「お客様の声を聞く」というと、”いいこと”のように聞こえますが、大切なのは「誰の声を聞くか」ということ。つまり、店の「軸」が定まっておらず、色々な声を聞きすぎて、かえって、お客様からすると「ワケの分からない店」になってしまうのです。
メニュー構成は、「ターゲットの幅」で決まります。
幅広い層を集客しようとするのなら、それに合わせて幅広く商品を揃える必要がありますが、その分、特徴は消えてしまいますよね。
店の特徴を出したいのであれば、できるだけ「ターゲット層」を絞り込んで、「その人」が好むもの、求めるものをメニューのラインナップに揃える方が特徴も出やすく、また、お客様の満足度も上がるはずです。
自分の店のターゲットは誰なのか?
また、自店の特徴を表すメニューキーワードは何なのか?
さらには、自店はどんな時に利用していただく店なのか?
そして、自店ではどんな体験をお客様に提供できるのか?
これらの「軸」、「判断基準」がないからこそ、色々な人の意見を聞きすぎてしまい、かえって店の特徴を消したり、お客様を満足させることができないのです。
これは、個人店だけで起こることではなく、チェーン店でも起こる現象です。
例えば、居酒屋などの場合、グランドメニューは本部で作成しますが、おすすめメニューは”各店任せ”という場合もありますね。
こんな時に、各店の店長、料理長が自店の「軸」「判断基準」を持たずに、商品開発をすると、徐々にお客様離れを起こすことが起こります。
こういった事態を招かないようにするために、各店の店長や料理長が「軸」「判断基準」を持つことが大切であることと同時に、本部スタッフの「チェック機能」も大切になります。
試食会などを定期的に開催し、各店が開発した商品が自業態の「軸」「判断基準」に適合したものであるかどうかをチェックするのです。
ですから、試食会はとても大切な場であり、味のチェックはもちろんのこと、それよりも、自店の「軸」に適合しているかをチェックすることの方が大切なのです。
もし、本部スタッフがこの「軸」を持たずに、試食会に参加してしまうと、「この料理美味しい!」「盛り付けきれいだね(かわいいね)」というコメントだけを残すような、自己満足型の試食会になってしまいます。これだと、本部側がチェック機能の役割を果たしているとは言えませんね。
皆さんは、いつも自店の「軸」を意識していますか?
また、自店の「判断基準」をもとに、商品や接客の振り返りを行っていますか?
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